スタンフォードにおける教育の目的

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John L. Hennessy - Wikipedia

スタンフォード大学の学長で、『コンピュータの構成と設計』の著者の一人でもあるジョン・ヘネシー教授の談話。

このように卒業生の多くが、それぞれに進んだ道でリーダーとなっている。このリーダーの育成こそが、スタンフォードにおける教育の真の目的なのです。

スタンフォードのすべての教員を巻き込んで、「教育と研究を通して学生への貢献をどう高めるか」という問いに対する答えを探してきました。

「学生への貢献」という言葉が出てくる時点で日本の大学とは正反対である。

もし私が日本の大学教育の改革を任されたら、どんなことを実行するでしょうか。

 まず、大学に入った時に専攻を決めてしまう仕組みを改めます。学生は大学に入った時点では医者になりたいのか、技術者になりたいのか、それとも歴史家になりたいのか分からないものです。大学での経験を通して成長する中で、何になりたいのかを見つけ出していく。その猶予を与えなければなりません。

 次に、学生が勉学にもっと熱心に取り組むようにする方法を考えます。学生が創造的思考を身につける科目を増やせるかどうかを検討したり、チームワークのあり方について見直したりするでしょう。

 工学部や理学部、医学部の教員については、もっと産業界と交流を持たせるでしょう。現実のビジネスの世界から隔絶し、象牙の塔にこもるのを防ぐためです。スタンフォードでも、教員がシリコンバレーの企業に勤めた経験を持っていれば、学生が卒業後に何をするかについて、より的確な助言を与えることができる。これは、卒業後に学生がリーダーに育っていくのをサポートすることにもつながるのです。

日本の大学のこともよく分かってらっしゃる。

 これらの改革は非常に大きな変化です。恐らく日本の大学教員の多くは、私が提言したことを好ましく思わないでしょう。そういえば、実行すべきことがもう 1つあります。教員の年功序列の撤廃です実力主義を徹底し、教育と研究の成果に応じて教員の給与を支払うようにする。これも、日本の大学の教員には好ましく思われないでしょうね。