大学院生は利用され使い捨てられているのか : 5号館を出てで大学院の教育問題についての記事が紹介されていました。
http://www.mumumu.org/~viking/blog-wp/?p=988

ところで、学生の面倒を見ない教員ということで思い出したのですが・・・最近僕が耳にしたすごいアカハラ体験談があります。以下に書くことは実話ですので、心してお読みください。

この後に事例が紹介されています。かなりひどい話ですが、こういった事例は特殊なものではなく、似たような事例はかなり多数あると想像できます。
私自身もおそらくこれより陰湿な研究室を身近に知っています。これも全国的に有名な大学での事例です。以下の話は私が被害にあった学生本人から直接聞きました。幸い彼は最終的には学位を取得した上で無事に企業に脱出することができましたが、それまでの経緯を聞いたときには私の方が暗澹たる気持ちになりました。
その研究室では、企業に就職を決めた博士課程であった彼に「研究員」として残るように強要しました。どうやら教授が手元においてこき使いたかったようです。彼が断ると、彼の実験装置が勝手に止められるなどの妨害を受けるようになったそうです。そうした嫌がらせはどうやら助手やポスドクによってなされていたらしいのです。教授の指示か彼らの自発的行動であったのかまでは分かりませんが、いずれにせよ彼らはすっかり研究室の風習に染まってしまっているのではないかと思います。彼らが将来研究室を運営するようになったとき、こうした風習も引き継がれてゆくのかもしれません。さながら子供時代に虐待を受けた人が自分の子供を虐待してしまうように。

実際、快刀乱麻とはいかない複雑な問題でもあります。単純に問題教員のクビを飛ばせばいいというものでもありません。ただ、僕自身の考えとしてはせめて以下のような施策が必要なのではないかと思っています。

* 教員の業績評価に卒業生の就職実績や卒論・修論・博論の実績を加えること
* そしてそれらの実績リストは学生から照会があったら必ず公開すること(拒否は不可とする)
* また、同じく学生から照会があったら中途退学者数も公開すること

そしてもうひとつ。上に書いたようなシステムならば、思うようにラボ全体の業績が挙がらなくても真摯に学生の面倒を見て、少なくとも就職と卒業だけはきちんとさせるという指導教員の評価を上げることもできるはずです。業績の挙がらない教員は往々にして評価も低くならざるを得ず、結果として科研費以下グラントの獲得率も下がってしまうもの。それならば、せめてこのような「教員」としての評価で何らかのアドバンテージが得られるようにするというのも大事なことだと思います。もちろん、研究面でも教育面でも優れた教員に高い評価と予算が与えられるべきだということは言うまでもありません。

これらはなかなか妥当な方法だと思います。
他の国の事情も知りたいところです。