しばしば政策的な意味での「技術者育成」が話題となる。
これに対する私の答えは、「別に日本の技術者は貧弱じゃないんだよ。むしろ貧弱なのは経営者の方だろ」であり、これは今のところ変わる様子もない。日本のコの業界の問題点はまさにそこにあるからだ。
こと技術者に関して、特にここで「育成」とか言われている文脈で語られているような技術者には多分いらない。彼等に必要なのは、
能力の発掘と成長の機会
だ。つまり、誰かに育てられるようなものではなくて、もっと主体的なことだ。
ほぼ同感。
自分が経験した特定領域のソフトウェア開発でも、日本の技術者のレベルがどうこう言う前に、企業の戦略や組織運営がお粗末すぎる気がする。経営判断やマネジメントの失敗(欠落)を認めたくないから(無意識にかもしれないが)技術者の能力のせいにしているだけではないだろうか。
もちろん本当に技術者のレベルが落ちてきているのかも知れないが、それを吹き飛ばすほどに経営者や管理職の経営・マネジメントの能力が落ちているように思える。いや、落ちてきたと言うよりむしろ老朽化してきたと言うほうが近いか。
そもそも経営者や管理職は一般の技術者より権限や影響力が大きいのだから、失敗に対する責任も相応にあって然るべきではないだろうか。
継続的に学習している技術者はかなりの数居ると思うが、同じくらいIT分野のマネジメントを学んでいる経営者・マネージャはどれほど居るのだろう。少なくとも「『人月の神話』?なにそれ?」とか言っているマネージャに技術力がどうとか言われたくないぞ。