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研究費は、君が実験をするために頂いているものでは、ない。試薬を、あるいは装置を買うために頂いているものでは、ない。対価としては、報告書なんだよ、と。
報告書に書くために、業績が必要で、それが論文であったり、学会発表であったり。そして、更にそれらのために、実験があって。だから、お金はそのためなんだ、と。でなきゃ、ちゃんと一周しないだろ、と。
至極まっとうなことのはずなのに、それが分かっている人はどれだけいるのだろう*1。
「業績」として求められるものは論文であったり人材育成であったり製品であったりするけれど、いずれにせよ研究費とは「出資者が期待する成果」のために与えられるもの。あなたが優秀な研究者だからもらえる小遣いでは無い。
ところが実際には、研究費を「(役人に文句を言われない範囲で)自分の好きに使っていい金」だと考えている人がかなりいるように見える。(大学の科研費だけでなく、公的な助成金を受ける企業でもこのような認識があるようだ。)
研究費に対してあたかも宝くじのように「当たった」「外れた」という言葉が使われるあたりにもこういった意識が見え隠れしているように思う。
*1:大学の懐事情や研究費の制度にも原因はあるけど