『若きエンジニアへの手紙』

本書を読んで、高校生のころ『ご冗談でしょうファインマンさん』を読んだ時と同じくらい刺激を受けた。もっと有名であって然るべき名著だと思う。
本書は、ショックレー、バーディーンを筆頭に、著者が研究生活で出会った半導体分野の偉大な研究者の言行録。研究者たちが何を考え、どのような姿勢で研究に取り組んできたのかが良くわかる。
理工系の大学4回生以上で、自らの「研究」について悩む人にぜひ一読をお勧めしたい。自分自身、「研究」というものに対する考えが研究室の方針に合わず悩んでいたときにこの本に救われた。自分の考えが決して間違っているわけでは無いという自信をもらった。
でも、自分で研究に取り組んだ経験のない人は本書を読んでもピンとこないかも知れない。そういう人はしばらく本棚に置いておいて、いずれ研究に疑問を感じたりつまづきそうになったときに読み返してみることをお勧めする。きっと得るものがある。
また、学生を指導する立場にある人にもぜひ読んでいただきたい。あなたはちゃんと後進に「研究」を指導できていますか?

旧版と本文は同じだが、新版にはP.S.が追加されている。