『「ファインマン物理学」を読む 量子力学と相対論を中心として』

 物理を教える人はすべからく読めと言われる(と聞いた)『ファインマン物理学』の読書ガイド。
 著者は、カルチャーセンターでの講演経験などから、第5巻の量子力学から読み始めることを勧めている。よって3分冊からなる『「ファインマン物理学」を読む』も、量子力学を中心とした本書を最初に読むべきなのだろう*1
 原本の『ファインマン物理学』の5巻はほとんど未読なので詳しくはわからないけど、本書は原本の実例や実験(思考実験を含む)をピックアップして解説を加える形で書かれているようだ。数式はそれほど無いけど、初歩的な物理の知識を前提として書かれている箇所があるので、高校程度の物理と数学を習っていないと読むのは苦しいだろう。

 白状すると自分もよく分からない箇所があった。もっとも、『ファインマン物理学』はいわゆる普通の教科書とは毛色が違う*2ので、仮に大学レベルの教科書の知識があったとしても、必ずしもすらすらとは読めない(自分だけ?)。その読書ガイドである本書もまたしかり。
 なんにせよ見かけほどには易しい本ではないと思う。

*1:と思ってほかの2冊より先に読んでみた

*2:それが名著たる所以でもある