私は、今の大学を再生させるひとつの有力な方策が、どんどん入れてどんどん落とすということだと信じていますので、それを許さない文科省のもとでは高等教育の改革は両手両足をしばられて400メートル走を要求されているようなものだと思います。
「どんどん入れてどんどん落とす」ことが教育レベルの維持、ひいては大学の再生につながる*1ということには同意する。
ただし、問題はどうやって「落とす」か。
教育内容を充実させて、学生が「自分の能力ではついていけない」と納得して退学できるくらいでなければ、以下のコメントにあるような事態を招くだろう。
大学院生をたくさん取って、学位を授与しなければ、そのうち学費が続かなくなって自主退学するでしょうし、数年間ずつただ働きさせられますね。「ポスト」ドクターや、ポストポスドク問題もなくなりますし。大学に取っては笑いが止まらないでしょう。
攻めの大学改革 : 5号館を出てのコメント
現状でも、教官がまともな指導をせずに学生を放り出したとしても、学内の評判が悪くなるという以上に教官側のペナルティは無いと聞く(某国立大教授談)。
教える側の責任をあいまいにしたまま退学を容易にしてしまえば、大学が単なる授業料搾取機関に成り下がりかねない。
*1:米国の有名大学はそういうものだと青色LEDの人が言ってた