同族中小企業

http://www.mypress.jp/v2_writers/yuigahama/story/?story_id=1792747
ここしばらくいまいち同意できない記事が多かったけど、今回はほとんど同感。確かに日本の小企業の経営者は会社への執着が強すぎるかも知れない。身内以外の人間を活用して業績を上げるよりも、たとえ業績が低迷しようとも自分の思うように支配していたい。そのように行動する社長さんが多いように思える。
こうした執着が会社の私物化や隠蔽体質を作り、偽装や違法労働といったモラルハザードに温床になっていくのではないだろうか。不祥事にまで至らなくても会社の私物化は確実にその企業の生産性を下げる。ろくに仕事をしない役員(経営者の身内など)が収益の上前をはねているような会社では社員のモチベーションの低下は避けられないだろう。それをそれを恐れてか社員に決算内容を隠す会社もあるようだが、隠すという行為自体が疑心を生むのでどれほど意味があるのかは分からない。

日本で小企業の経営者が会社というものに強く執着する(ように見える)のは、起業リスクの高さの裏返しなのかも知れない。会社に対して個人保証を負っているがために、会社を自分で完全にコントロールしていないと不安になるのではないか。だとしたら起業や倒産時のリスクを下げるために法整備や金融機関への行政指導を行うことで、単に起業数を増やすだけでなく、既存の企業にも活気を与えることにつながるのかも知れない。


ところで記事中でひとつ気になったのは「日本には中小企業、特に小企業が多すぎます」というところ。異議があるわけではなくて「あれ、本当に?」と疑問に感じたという程度。うろ覚えだけど、たしかイタリアなどは日本よりずっと小企業が多いと聞いたことがあるような…。