『脳と気持ちの整理術』

『フリーズする脳』、『脳が冴える15の習慣』に続く「脳の取説」第3弾。著者は脳神経外科の医師だが医学を前面に押し出すのではなく、著者自身の経験や臨床経験から導き出された「思考のコツ」が穏やかな文体で語られている。
自分にとって、凹んだ時のための「読む薬」として手元に置いておきたい一冊だった*1

「社会が目まぐるしく変化している現代という時代の中で、逆境や困難に直面したとき、それをどう乗り越えていけばいいか。冷静・前向きに自分の人生を切り拓いていくために、何が大切か。」ということを脳から解説しているのが本書です。


「あとがきに代えてー「待つ」ということの大切さ」より

最近の私は「思考が混乱する・気持ちの整理ができない」状態が続いているが、本書が対象にしているのもまさにこのような状態(症状?)で、今の自分には実にぴったりの本だった。読み終わった時には、仕事に押し潰されそうになっていた気持ちが少し落ち着いて、なんとかやっていけそうな気がしてきた。おかげで明日もなんとか出社できそうだ。

<目次>
 はじめに
 第1章 前向きな自分をつくる
  1 意欲を高めるための基本原則
  2 「やる気が出ない」ときの対処法
  3 脳をリフレッシュさせる技術
  4 「脳のエネルギーの投資先」を明確にしよう
  5 まず「誰のために」を考えよう
 第2章 思考の整理術―計画・実行力を高める
  1 「見えない敵」が脳を混乱させる
  2 「気になっていることリスト」をつくろう
  3 時間的整理ー仕事と「私」を多次元的に捉えよう
  4 空間的整理ー仕事の効率に差をつける物の整理
  5 仕事を溜め込まないようにするコツ
 第3章 記憶を強化する技術
  1 情報を覚えるためには努力が要る
  2 「脳の中の小さな机」を意識しよう
  3 記憶を引き出す手がかりをつくろう(キーワード化)
  4 風景やイメージとして記憶しよう
  5 出力の機会にバリエーションを持たせよう
 第4章 アイディアを生み出す技術
  1 創造力を高める生き方、考え方
  2 「ひらめきの連鎖」を生み出そう
  3 脳を休めなければ、大きな思考はできない
  4 社会の「必要」に気づくために大切なこと
  5 考えるほど、問題が複雑化してしまうとき
 第5章 気持ちの整理術
  1 脳を安定させる「感情のリスク・コントロール」
  2 解釈を変え、不安をやわらげる方法
  3 目標を持っている人はなぜ強いのか
 あとがきに代えて

*1:ちなみに同じ薬箱には『たった今から、ハッピーになる!』なども常備してある