『フリーズする脳』

「フリーズする脳」とは、「不意になにかが出来なくなる」脳のこと。例えば、人の名前を思い出せない、同じ話を何度もしてしまう、物をよくなくす、と言ったいわゆるボケ状態を指す。
ボケと言っても本書で取り上げているのは老年期のものではなく、働き盛りの30代から40代に起こる脳の失調である。この年代でのボケは老化以上に次の2つが原因であることが多いという。

  1. 偏った頭の使い方のせいで脳機能の一部が低下している
  2. 感情(辺縁系など)と思考(前頭葉)のバランスが崩れている

これらを意識した上で脳の使いかたを改めることで、脳の働きを取り戻そうというのが本書の狙い。ただし本書で紹介されている方法は、普段の生活習慣や仕事環境を調整することでそれをめざすといういささか地味でオーソドックスなものが多い*1
「このごろ昔ほど頭が回らなくなってきたな」と感じ始めた人は「もう俺も三十路だししゃーないか」と諦める前にぜひ一読を。

*1:より具体的な方法は続編である『脳が冴える15の習慣』『脳と気持ちの整理術』に書かれているものと予想される