『核兵器のしくみ』

核兵器原子力発電のしくみの解説。
ごく初歩から解説されているのでゆっくり理解しながら読んでいけば中学生でも核反応の概要は分かるのではないかと思う。もちろん原子の構造(電子、陽子、中性子)を知っていればより楽に読めるし、高校物理程度の核反応の知識(α線β線γ線)がある人ならすらすら読める。
自分は物理学科出身のくせに核物理の知識はほとんど無かったのでとても勉強になった。原子爆弾のウラン型、プルトニウム型の違い。劣化ウラン弾のこと。原子力発電と核兵器の関係。高速増殖炉や核燃料再処理について。水爆と中性子爆弾の違いなど、いままであいまいな理解で済ませてきたが、本書を読んで(少なくともそれぞれがどういうものかは)かなり明確に分かった。
北朝鮮の核や原発の事故など、原子力関連のニュースは少なくない。理系を自認するなら本書の内容くらいは理解しておいた方がよいと思う。(自分のことは棚に上げて)

核兵器のしくみ (講談社現代新書)
山田 克哉
講談社
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