被爆国の怒り

憲法9条を有する日本は、同時にまた唯一の被爆体験国である。すなわち「憲法9条」と「被爆国」の二つの日本の特性は、世界に向けて安全保障論議をする際の、わが国の最大、最強の武器である。米国との軍事協力を加速させるために憲法9条を手放し、米国に対する最強の武器である「被爆国の怒り」を放棄してしまえば、残るのは米国に対する無条件の従属しかない。
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テロとの戦い」と言う名の米国の不当な戦争のためにどんどんと日本の自衛隊や我々の予算が消費されようとしている。米国の戦争経済の赤字補填のために日本経済が食いつぶされようとしている。
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天木氏の意図とは少しずれているかもしれないが、私も被爆国が原子力兵器の使用を認めるなど論外だと考える。今回に限ったことではないが、アメリカの核容認発言にはたとえ形だけでも異議を唱え続けて欲しかった。
被害者面してゴネろと言うわけではない。「自分たちは核の痛みを知っている。だからこそ核兵器は許容できない」という立場を日本政府に取り続けてもらいたいだけだ。アメリカに屈服しないだけでなく、イラク戦争のような「美しくない行い」に与しないためにも。

まもなく原爆をテーマにした『夕凪の街桜の国』の映画版が公開される(7月28日)。映画の原作となったコミックは英語をはじめ数カ国語に翻訳されている。本作品が多くの国で読まれることを期待したい。


夕凪の街桜の国
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