中小企業で完全週休二日制は無理なのか

明日は月末の土曜で悲しい出勤日。それでかどうかは分からないが、二人の役員が完全週休二日制について話をしているのが洩れ聞こえてきた。一方が賛成派でもう一方が反対派らしい。なんとなく聞いていると「絶対無理や」「できるわけが無い」とか言っている。どうやら希望は持てなさそうだ。

従業員の間では月末土曜の出勤日は概ね評判が悪い。今の会社の年齢構成からすると、10歳以下の子供のいる人が多く、そういう人達は学校や保育園のイベントに出られないのを残念がっている。先月もそれで運動会をあきらめた人が何人かいた。個人的にも土曜は実家の手伝いや大学に行くことが多いので、休みになる方が都合が良い。

前に昼食のときに他の社員と話をしたときは、月末の出勤日をやめて、その分一日当たりの勤務時間を延ばして欲しいという意見が多かった。社員の間では同様の希望を持っている人が多いようだ。

ではなぜそうして完全週休二日制にしないかと言うと、その方が正味の勤務時間が減って経営者が損をするからだ。この会社では多くの社員が固定の残業代(みなし残業)になっており、いくら残業させても会社が払う給料は変わらない。裏を返せば残業しなくても給料は同じなのだが、そこはくそ真面目な日本人、多くの社員は恒常的に残業をしている。なので、勤務時間を少しくらい長く設定したところで実際の労働時間は変化しない。一方、休みを増やせばその1日分の労働時間は確実に失われる。

つまり休みを増やして1日当たりの勤務時間を伸ばしても、普段の残業時間が伸びることは考えにくいので増やした休日分の時間が丸々失われる。おそらく反対派の役員はそれが気にくわないのだろう。

そういう話を聞いた後でなぜ残業は減らないのかを読んで、なんだか暗い気持ちになってしまった。