柴田芳樹さんが雑誌などに執筆してきた記事をまとめたもの。主にプログラマとして長くやっていくために何をすべきかについて述べられている。安い新書なのだから、プログラマとして働くことになった若人はぜひ買って読むと良い。
私自身は本の元になった記事のほとんどは立ち読みで読んだことがある。それも内容をあらかた覚えてしまうくらいまで、書店に行くたびに何度も繰り返し読んだ。身近に指導者のいない私にとって柴田氏の記事は貴重なガイドラインであった。
さらに白状すると、記事をさんざん立ち読みしたくせに雑誌を買ったことは一度も無かった。他に読みたい記事が掲載されてなかったので割高に感じたため、後になって買っておかなかったことを後悔したこともあった。そういうこともあって、柴田氏の記事の単行本化はずっと希望していたので、本書が出版されたので喜んで購入した。もう一冊買って部下にあげようかとも思っている。
本書は、書名から(プログラマーの引退年齢と言われる)35歳前後の人向きの本と思われるかもしれないが、むしろ本書は20代から30代くらいまでの若い人向きの内容である。現役を続行するためには若いうちからの精進が必要で、35歳になってからあわててもちょっと遅いのだ。
書中では長くプログラマを続けるための7つの力の習得が提案されている。
- 論理思考力
- 読みやすいコードを書く力
- 継続学習力
- コンピュータサイエンスの基礎力
- 朝型力
- コミュニケーション力
- 英語力
7つの力のうちには習得に長い時間を要するものも多いので若いうちに習慣化しておかないといけない。「継続学習力」「英語力」などはその典型だろう。