『ネイティブの心をつかむ英文マニュアル作成メソッド』

通読完了。
「英作文のマニュアル」ではなく「英語版の製品マニュアル」を書くための参考書。
英文テクニカルライティングの参考書の中にも英文マニュアルの書き方について触れている本は多いが、ほとんどが付録的な扱いでしかなく、実際にマニュアルを書く時に参考にするには物足りなかった。その点本書は、一冊丸ごとマニュアル作りについての解説であるため、かなり満足のいく内容であった。
英語でマニュアルを書くことになって困っている人にはお勧めである。

本書の前半ではページ構成やレイアウトのポイントが解説されている。次にフォントや下線の使い方、見出しのつけ方の工夫などが取り上げられている。これらはデザインや構図に関する基本知識であり、テクニカルライティングの参考書では得られない。後半は英語を書く際の注意点が挙げられている。この部分は技術英語の参考書とかぶる部分も多いが、マニュアル用の英語に限定してコンパクトにまとまっている。

本書の最大の長所は、具体例が豊富であることである。本書にはマニュアル作成の30のポイントと文章スタイルの12のルールが取り上げられており、そのほとんどに良い例と悪い例が1組以上記載されている。例だけを順に眺めるだけでもかなり参考になる。