年末から精神的に辛くて大学へ行けずにいたのだが、今日は別の用事で行くことになった。昨日から調子も良いので多分大丈夫だろうと思ったが、ぶり返してしまったかも知れない。

今年の博士論文の申請者は私の他に二人いる。博士課程4年目、5年目の学生である。年末に教授から聞いた限りでは一人は大丈夫だと思うが、もう一人は厳しい(間に合わない)だろうということだった。その後私は大学に行けなくなったので、彼らがどうなったのかは知らずにいたのだがずっと気にはなっていた。
私の方は年末の頃に教授に「多分間に合わない」と言われ続けており、暗に「他の学生を見なければならないから遠慮してくれ」と言われているのだと感じて萎縮してしまった。それまでかなり根を詰めて作業をしていたのだがその時に緊張の糸がぷっつり切れてしまった。
その結果さらに強い不安とストレスを常に感じるようになった。体に力が入らない。額からこめかみのあたりが緊張してつっぱっているような軽い頭痛が続き、夜はなかなか寝つけない。そんな日が続いた。
会社へはなんとか行っていたが仕事はろくに進まない。帰宅しても何もする気にならないという半ひきこもり状態になってしまった。仕事の方は、大規模な追加機能の基本設計という頭を使わないといけない時期だったが、思考がまるでまとまらないためにほとんど進まない。何かの足しにと技術書を読み漁ってもほとんど頭に入らない。そんな日が3週間ほどずっと続いていた。
それが昨日の午後、突然紙をはがすように治ってしまった。別に何かきっかけがあったわけでも無く、パソコンの画面を眺めているうちにいきなり気分が晴れてしまった。理由はまるで分からない。それで今日はどうにか大学に来ることができた。

研究室に着くと博士論文を書いていた学生の一人に聞いてみると、教授の予想とは裏腹に、大丈夫なはずの学生は提出できず、逆にもう一人は予備審査を終えてじきに公聴会をするのだという。予備審査を終えたのは私と一緒に実験をしていた学生で、本来なら私の後を引き継いでもらうはずが気がつけば追い越されてしまったわけだ。
白状すると、彼が学位を取りそうだと聞いたとき(彼には申し訳ないのだが)劣等感と疲労に打ちのめされそうになった。妬みというよりも自分の不甲斐なさと不遇さを呪う気持ちがドッと出てきて目眩がした。

これまでもずっと「博士」「研究」「物理」といった言葉を聞くたびに言いようの無い違和感を感じてきた。今もこれらのNGワードをタイプするたびに呼吸が浅くなり、心拍数が上がるような気がする。しばらく治まっていた頭痛と額のこわばりも再発した。すぐに治まるかどうかは分からない。
月曜こそ病院に行こう。