午後4時過ぎに母から電話があり、父がトラクターの事故で大けがをしたとのこと。堤防の上を運転中に不注意で運転を誤って転落したらしい。母は少し離れた畑にいて気づかなかったが、たまたま自転車で通りかかった人がいて、119番した上で母に知らせにきてくださったとのこと。
 救急車で搬送された地元の病院では、不幸中の幸いか当直の医師が整形外科医で、電話があった時点でまもなく応急手術が始まるということだった。骨盤を大きく骨折しているが、意識ははっかりしていて下半身の感覚もあるらい。事故が起きたのは昼前だったが、両親とも携帯電話を持たずに出かけていたため母親も病院から家に戻るまで連絡できなかったらしい。手術の後で説明をするので家族は夜にまた来てもらいたいということなので、自分も同席することに。
 慌てて駆けつけてもできることは無いし、焦ってこちらも事故を起こしたら目も当てられないので、落ち着いて丁寧な運転で実家へ。母親も今さらジタバタしても仕方がないと腹を据えているので、
 日が暮れる前に、実家に向かう途中で現場に寄って見てきたところ、土手の下でトラクターが完全にひっくり返っていた。後で話を聞いた限りでは、父は早い段階でトラクターから落ち、その後土手を転げ落ちる途中でケガをしたようだ。トラクターの下敷きにならなずに済んだのは幸いだった。
 実家に立ち寄り、入院の準備をしていた母親と一緒に病院へ。取り急ぎ馴染みの農機具業者にトラクターの引き上げの連絡をしておいた。
 我々が病院に到着したときはまだ手術中で、しばらくして手術室からストレッチャーに乗った父親が運ばれてきた。局部麻酔での手術だったので、意識ははっきりしていて看護師さんと会話もできていた。ほどなく執刀した医師もICUにやってきて、骨盤を外部から固定する器具(外創固定)を取り付けてもらった。
 それで応急処置はひとまず終わり医師の説明を聞くことになった。3箇所ある骨盤の骨折のうち1か所が重症で、左側の足の付け根が完全に折れてしまっているらしい。後は骨折に伴う内部の出血で、今のところ血圧が急落するなどはないようだ。まだ見つかっていない内臓のケガがあるかもしれないので、少なくとも一晩はICUで様子見らしい。
 今後の見通しとしては、様態が安定していれば5日後に骨盤を固定する本手術をすることになる。1週間程度でリハビリを開始することになるが、高齢で骨がくっつくまで時間がかかるので、入院は数カ月かかりそうだ。右足は早めに使えるようになりそうなので、しばらく車いすと松葉杖での生活になる。最終的には、杖が必要になるかも知れないが、日常生活はできるようになりそうだということだった。
 医師の説明の後、本人と面会して急ぎで連絡する相手を聞いたりしたが、むしろ普段よりしっかりしているくらいだった。まもなくストレッチャーからICUのベッドに移動させるということで、看護師さんに入院の書類と身の回りの物を預けて母親と退出した。
 実家に戻る前に和食レストランで夕食を取ることにして、その駐車場で取り急ぎ連絡が必要な相手に電話をしておいた。夕飯を食べてしばらく母親と世間話をしつつ様子を見たが、概ね落ち着いているようだ。トラクターは業者が明日にでも引き上げてくれるらしいので、現場を片付けて良いか念のため警察に寄って確認した(軽車両による自損事故になる)。実家に戻って風呂に入ってから、自分は自宅に戻ることにした。
 洗濯物を積んで出てきたが、いつものコインランドリーの営業時間は終了していたので少し前にできた24時間営業の店を利用してみた。