『厚生労働省崩壊』

 お寒い状況にある日本の感染症対策に、現役(!)の厚生労働医系技官が鳴らす警鐘。欲を言えばもう少しデータを載せてほしかった。しかし、一章まるごとをかけて小説風に描かれた天然痘テロの思考シミュレーション部分は秀逸で、そこで描かれている官僚組織のダメっぷりには苦笑いしてしまった。
 もちろん本当に厚生労働省がこれほどグダグダかどうかは分からないが、これまでの厚生労働省の失態と悪行ぶり*1から考えれば、十分リアリティはあると感じた。