寄り道しまくって大学へ。
後輩のポスドクと久しぶりに会った。なんだか疲れているように見えたので声をかけてみたら、就職活動をしているが、教授に妨害をされているのだそうだ。彼はおとなしくて従順なので教授も手放したくないのだろう。今いる助手さんも次の職を探しているようなので、ポスドクの彼までいなくなったら学生の面倒を押し付ける相手がいなくなってしまう。教授とすれば何としてもポスドクのまま手元に確保しておきたいのだろう。

このように教授が学生やポスドクの就職活動を妨害するという話はよその研究室でもたまに聞くけど、なんらかの法律に抵触しないのだろうか?
ポスドクの彼はこの研究室にすっかり嫌気がさしているようで、企業でも離島でも構わないからからここから出たいと言っていた。大学だけでなく企業の求人にも応募しているようだが、この不況で求人は少ないわ、さらに脱出計画に感づいた教授に叱責されるわでずいぶん弱気になっているようだった。
もっとも、どんなに求人が多かったとしても就職するのは1社だけなのだから、求人数を気にしすぎても仕方がない。それに、この不況下で求人を出す企業なら地力のある優良企業である可能性もある(逆に人がどんどん辞めるからかも知れない)、てなことを偉そうに話した。
とにかく心を壊す前に彼が上手く脱出してくれることを祈りたい。

それにしても、今の自分のように学位に意固地になって進退極まっている立場からすれば、学位を既に持っていてそれを盾に取られることのない彼は身軽なはずだと思うのだが、当人は、学位なんか持っていても大して意味などなく、それより既に就職しているこちらが羨ましいと思っているようだった。お互いに自分以外の芝は青く見えるということなのだろう。