『理系バカと文系バカ』

理系・文系の乖離の問題と、どちらかのバカに陥らないための対策について分かりやすく解説した好著。これまで読んだこの著者の本の中で1、2を争う面白さだった(対抗馬は『闘う物理学者! 天才たちの華麗なる喧嘩』)。

全体のバランスを見るとやや理系の振興に寄って書かれているけど、これは著者の竹内薫氏が理論物理学が専門のサイエンスライターだからというより、昨今の理系離れ=文系バカ化についての警鐘の意味合いが強いからだと思う。(実際、著者は仕事で理系バカに何度も煮え湯を飲まされているようなので、理系バカを擁護する義理は無いはず。)
その上で自身の理系バカ気味(失礼)の行動についても言及しているのは好感が持てる。

理系バカと文系バカ (PHP新書)
竹内 薫
PHP研究所
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P.S. 東大のアレについてはノーコメントですか。ちょっと内情の公開(暴露?)を期待してたんだけど、まだ全部終わってないから仕方ないのかな。