実験スタイル

「若いときに流さなかった汗は年老いて涙になる」 : ある理系社会人の思考

しかしながら,ktatchyが研究していたテーマを,日付の感覚がなくなるくらいの頻度で実験を重ねたとして,ktatchyがやっただけの結果以上のものが出てきたとはあまり思えません。余った時間で違う研究が出来たかもしれませんが,それが許されるような環境でもなかったので。「あの頃もっと頑張っていればなあ」などと思うことは,今のところありません。

私もほとんど同じ感想を持っている。もっとも、私の場合は時間のかかる実験が多かったので、データの積算中に風呂に行ったり仮眠をとったりしながら夜中まで実験をしたことはある。別に根性があったわけでは無く、そうするのが効率的だったというだけだ。
こんな風にぶっ続けで実験をした時期もあったが、反対にほとんど実験をしなかった時期もあった。サボっていたというより手詰まりで途方に暮れていたので、もしあの頃に戻れたとしてもより良い結果が出せたとは思えない。自分としては「あの頃もっと頑張っていれば」という後悔は無い。むしろ「さっさとあきらめるか、別の研究室に行っていれば…」と思うことはよくある。
もちろん別の人間ならもっと立派な結果を出せた可能性はある。結局は適正が無かったというだけなのだろうか。

性格によるところもあるのでしょうが,ktatchyは必要のない実験を重ねることに美学を感じませんし,夜遅くまで頑張ることにも大して意味を感じません。

必要が無い(と思われる)実験を重ねることで、偶然何かが見付かったりすることもあるだろう。だが、私の場合、学位のための結果が必要な学生の身で偶然を期待する鷹揚さは持てなかった。また、結果がでなくてもなんとかなるだろう、という楽観もできなかった。結果、焦りながらも何もできずに立ち尽くすしかなかった。