公明党の斉藤鉄夫政調会長は東京工業大学の出身らしい。この斉藤氏、先日のテレビ番組「サンデープロジェクト」に出演した際に年金を管理するコンピュータシステムについておかしなことを言っていた。
「私が35年前に大学で習ったFortrun。言語Fortrun、そしてその機械語がCOBOLと言う…。それをそのまま使ってるわけです。ですからあのー、ま、ある意味では我々理科系出身の国会議員のひとつの責任だったかもしれませんけれども、あの、どの会社でも、その新しい言語にどんどん変えつつある。で、あと一極集中システムなんですね。で、それを今は分散型のコンピュータシステム、に変わっている。それも(聞き取り不可)。そこをきちんとやんなくてはいけない。」
なのだそうだ。(出来るだけ正確に文字にした)
私自身はCOBOLを使ったことがないので詳しくないのだが、これは明らかにおかしい。
この発言は田原総一郎の「"こぼる"とか言う古い言語を使っているのが問題なんですって?」といった質問に対する答えである。素人である田原氏が的外れな質問をするのは仕方がないにしても、「理系の国会議員」を自認する斉藤氏がいい加減なことを言うのはいただけない。
まず、COBOLは機械語ではない。また、一極集中型であることや言語が古いことと、システムの問題とは直接の関係は無い。COBOLであってもちゃんと動いているシステムは掃いて捨てるほどあるし、むしろ運用実績のあるCOBOLをメンテして使い続けるほうが安定なシステムになる可能性が高い。まさか、癒着先企業に税金を投入して、「最近の言語である(とか言ってる時点で無知の極みだが)C言語」で作り直すとか言い出さないだろうな…。まさか、まさかねぇ…。
政治家本人がソフトウェア分野に詳しい必要は無いが、コンピュータシステムを問題視するのなら、専門知識のあるスタッフを雇うなり有識者に意見を聞くなりしてちゃんと調べておくべきだろう。こんな低レベルな発言をしているところを見ると、ろくなスタッフや人脈を持っていないらしい。