先月、竹内薫さんの科学小説『猫はカガクに恋をする?』と、結城浩さんの数学小説『数学ガール』が相次いで出版された。
どちらも部数の絶対値は不明だが、著者の体感的な売れ行きにはかなり差があるようだ。
[結] 2007年7月 - 結城浩の日記
で、今日、『数学ガール』を出版してくださっているソフトバンククリエイティブさんから急報が入りました。 『数学ガール』の重版が決定したとのこと。都内に並びはじめたのが6月27日(水)ですから…5日前?は、はやいです!
青と黄の目をした猫: 薫日記
売れ行きは芳しくなく、眼底出血までして念校を見た執念も実らず、やはり、世間の評価は厳しいなと、かなり凹んでいたのだが、ごく少数でも、感動してくれた読者がいることがわかり、すごく元気づけられた。
ちなみに私は両方買ったが、どちらもまだ少ししか読んでないので内容の良し悪しについては何も言えない。ざっと眺めた感じでは
『数学ガール』 | 『猫はカガクに恋をする?』 | |
内容 | 数学 | 科学全般 |
数式 | たくさん | なし |
(私にとっての)難易度 | それなり | それほど |
本屋での置き場所 | 数学書コーナー | 一般書コーナー |
想定読者(推測) | 高校生以上の理系人 | 大学生以上の文系人 |
これまでの読者層 | プログラマ | 理系学生、技術者、科学ファン |
のような印象を持った。これほど毛色の違う両者を比較するのは無理があるが、売れ行きにそれほど差が出るのもちょっと不思議な気がする。(正直言ってどちらもあんまり売れないんじゃないかと心配してました。すいません。)
特に『数学ガール』の方は、内容のかなりの部分が既にウェブ上で公開されており、それを既に読んでいる人にとっては本の購入に割高感があってもおかしくはない。それでも予想以上に売れたということは、ウェブ上で公開していた(今も公開中)ことがむしろプラスに働いているということだろう。「萌え」を前面に押し出したからではない…と思う(笑)。
あと、結城さんは自身の3つのブログやプレゼント企画で熱心に宣伝していたのに対して、竹内さんはあまり宣伝に熱心では無かったように見える。いくらかはこの差もあるかも知れない。
なにはともあれ『猫はカガクに恋をする?』が注目されないまま絶版になったりしては忍びないので、少しでも足しになるように宣伝しときます。皆さん(下のリンクから(笑))ぜひ買いましょう。
猫はカガクに恋をする? posted with amazlet on 07.07.02 |
(2007.7.4 追記)
[結] 2007年7月 - 結城浩の日記
『数学ガール』初版、完売の気配