『電力危機』

 DIS+COVERサイエンスシリーズの一冊。積ん読にしておいては意味が薄れる種類の本なので買ってすぐに読んだ。
 この夏の電力不足を乗り切るための合理的な方法から解説されている。また、長期的なエネルギー戦略についても問題提起がされている。専門的過ぎず、感情論に走らず、情報の取捨選択のバランスも悪くない。
 惜しむらくはちょっと厚くて値段が高いこと。普段本を読まない人でも手に取りやすいように、より安価でページ数を絞ってあればもっと良かったかも。(そうなると別のシリーズになるだろうけど)

電力危機
電力危機
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山田 興一 田中 加奈子
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 もっとも、西日本では今回の電力不足とはほぼ無関係なので切羽詰まった節電は必要ないのだけど。(周波数が違うので西日本の電力を東日本に回すことはできない)
 節電そのものは悪いことではないけど、今はむしろ、東日本で低下する工業生産やオフィス機能を西日本で補う方べきなので、単なる同情や同調だけで西日本の電力を規制するべきではない。