以前に関わったUSB機器の回路の調査。問題になっているは、装置の電源を切ってもUSB接続がリセットされないことで、現状ではリセットするには背面のUSBケーブルを引き抜くしかない。
 前は時間が無かったし、回路設計は管轄外だったので回路図を引っ張り出して調べはしなかったが、おそらくUSB通信ICがバスパワーになっているのだろうということは見当がついていた。改めて回路図を見てみると、やはり思ったとおりだった。
 設計者にその意図を確認すると、基盤上でUSB通信IC用の+5Vを作る代わりにUSBから取るようにしたらしい。基盤に載っているマイコンは+3.3V仕様なので+5Vを作るには別にレギュレータ回路を追加する必要がある。その部品代を浮かすのが目的だったようだ。
 そういう設計なので、本体の電源を落とすとマイコンの電源は落ちるが、USB通信ICはバスパワーで動作し続ける。これは元々の意図どおりの動作ではあるが、通信エラーのリセットの度にUSBケーブルを挿抜するために機器の後ろに手を突っ込まなければならないのは勝手が悪すぎる。
 一方で、バスパワーにすることで原価から節約できるのはせいぜい数百円だろう。やはりここはセルフパワーに設計を変更した方がいいだろう。