定例の朝礼とミーティング。今日は特にいさかいも揉め事も無し。 
 昼前に、開発中の装置の基板がほぼ1ヶ月遅れで上がってきた。上司は、「2日で動作を検証して、自分に見せるように。今週中には完成すると思っているが構わんよな?」とか言っている。本当はものすごく構う、というか今週中なんて絶対無理なのだけど、それを言っても「なぜ無理なんだ?(基板はできているんだから)すぐに完成するはずだ。サボる気か?」とか責められるのが目に見えているので、「うーんまあそれでいいです」と答えておいた
 自分の予想では、まず早い時点で回路にいくつかミスがや不具合が見つかるだろう。これはほぼ確信している。さらにロジックICの中身にもいくつかミスが見つかる可能性が高い。こちらから依頼した仕様に更新されておらず、古い仕様のままになっている可能性も高い。ぶっちゃけ、少なくとも今週一杯は回路のミスを探すのが自分の仕事になると思われる。ソフトウェア云々はその後だ。
 と、いささか捻くれた気分で作業を開始。マイコン基板を本体基板に乗っけて、まずは普通に操作してみた。…案の定電圧が出力されない。マイコンを外し、マイコン無しで動作するはずの機能を試してみたが、これも動かない。早速回路の不具合が出た。回路担当の上司に機体をチェックしてもらったところ、ロジックICの電源のフィルタが壊れていたらしい。
 壊れていた部品を交換したところ、マイコン無しでの動作はまあまあ正常になった。続いてマイコンとロジックICの通信を調べる。マイコンからロジックICに命令を送るには、4ビットのコマンドと8ビットのデータをバスに出力し、ストローブ信号でロジックICに読み込ませる。ロジックICに命令を送っても正しく実行されない場合、まずはマイコンが正しいコマンドとデータを出力しているかを確認する必要がある。
 先述したように、このバスラインは表示器と共有しているので、ロジックICに命令を送っていないときにも表示が更新されるたびにばたばたと信号が変動する。重要なのはストローブ信号が出ている瞬間のバスの状態なので、ストローブ信号をデジタルオシロのトリガにして、ストローブの瞬間の信号線の電圧を順番に確認していく。
 …やはり信号(ロジックICへの)には問題ない。確証とまでは言えないが、ロジックICの内部にミスがあるのはほぼ確実そうだ。明日に担当者に見せて直してもらうことになるだろう。
 
 
 こういう作業って、回路の検査になると思うんだけど、なぜかソフトウェアの担当者(つまり自分)がやることになる。もっとも、回路図と首っ引きで基板を調べるより、実際にソフトウェアを動かした方がミスを発見しやすいので、それはまあいい。不満なのは、なぜそれがソフトウェアの開発時間に割り当てられているのかだ。