外では雨が降っていて事務所の蒸し暑さがひどい。4月でこれでは夏場が思いやられる。

昨日論文で得たヒントを検証するために、シミュレーションの方法を調べ始めた。シミュレーションについては前々から少しずつ学習してはいたが、すぐに忘れてしまってろく身についていなかった。これからしばらくかけてきちんと習得したいと思う。

でも今の会社ではシミュレーションという手段は受けが悪い。どちらかと言うと、「とりあえず手当たり次第に改造してみたらええねん」という考え方が主流になっている。もちろんそれでより早く解答にたどり着けることもあるので、必ずしも間違った意見だとは思わない。けれど今回の場合は手当たり次第に改造をするよりもシミュレーションの方が有効だと考えている。
シミュレーションには、不確定要素を減らせることと、条件を簡単に変えられることの2つの優位性がある。
今回のように制御器を改善するにはその「性能」を数値化して定量的に評価できるようにしておく必要がある。でなければ制御器をいじって特性が変化しても、それが改善なのか改悪なのかを判断することができない。制御器の性能を数値化する際には、制御系中の他の要素からノイズや部品特性のばらつきのような不確定な要素をできるだけ減らしておく必要がある。さもないと結果が変化したときにそれが制御器の変更によるものか、それとも単なる計測上の誤差なのかを判別できない。今回のシステムはどうしても実験ごとに外乱のばらつきが大きくなるので、そのような不確定要素をコントロールできるシミュレーションのメリットは大きい。
また今回の制御器は、実用の際には構造や振動特性が少しずつ異なる様々な制御対象に適用される。そのため実験で信頼のおける結果を得るには、色々な制御対象について相当回数の試行を行う必要がなる。この点でも条件を容易に変えられるというシミュレーションの利点が生きてくる。
…といった事を踏まえてミュレーションに力を入れるべきだと考えているが、周り(特に上長)の理解を得るのはあまり容易ではない。技術畑の人間というのは、自分が理解できない手法を部下が使うのを嫌がる傾向があるので仕方ないとは思う。(口を出すのならせめて少しくらいは制御理論を勉強して欲しいとは思うけど…)なので指示されたことは最低限こなしつつ、自分の裁量でできる範囲で少しずつ勧めていくしかない。


終業後、会社から出ようしようとしたら、こんがらがった電気配線用のワイヤをほぐす作業に巻き込まれてしまった。100メートル単位で購入したワイヤの巻き束だが、使い方が杜撰なせいでこんがらがっている。わざわざ解かなくても、どうせ数10センチくらいに切って使うことが多いのだから適当にぶつ切りにしても構わないような気もする。そもそも最初からもっと手ごろな長さで購入すればここまでこんがらがることも無いだろうに。
とても無為な作業だが、嫌々ながら解していくことにした。それでもこの手の作業はやり始めると意地になってなんとか途中でワイヤを切断することなく解きたくなってしまう。蒸し暑い中、後輩と2人でおよそ半分ほど解きほぐしたところで嫌になって今日のところは(できれば二度とやりたくないが)終わりにした。


帰りに寄ったコンビニで、プロバイダからレンタルしていたADSLモデムを返送した。