ノーベル賞特需

中日新聞:出版元、ノーベル賞特需 日本人著作を大増刷:社会(CHUNICHI Web) 2008.10.10

 ノーベル賞受賞が決まった日本人の著作に問い合わせが殺到し、出版元は特需にわいている。物理学賞の3人が書いた本は、絶版状態だったり、発行が少なかったりで入手困難なものもあり、あまりの反響の大きさに「どれだけ刷ったらいいのか分からない」とうれしい悲鳴も上がる。

いつまで続くやらとは思うが、一時的にせよ科学に注目が集まること自体は悪いことではないかな。
ただ、素粒子理論というのは物理の中でも数学的に高度で具体的にイメージするのも難しい分野だろうから、今回のブームにつられてちょっとのぞいてみたけども難解すぎて余計に物理が嫌いになる(と言うか恐れる)人が増えないか心配ではある。

「日本人のノーベル賞が4人*1も出たのに、いずれも著作が少ない」と担当者。98年の初版から二版3500部を発行しており、「同じ数だけ増刷することになるかも」と期待が膨らむ。

やはり、日本で科学書の市場が小さい*2のと科学者が一般向けに本を書く意義が認められてないことが原因な気がする。市場が小さいのは言語の壁の影響もあるので仕方ないとは思うけど。それにしても『いま、もう一つの素粒子論入門』(丸善)がたったの3500部しか印刷されていなかったとは…。

 福井市ゆかりの物理学者南部陽一郎さん(87)のノーベル賞受賞が決まったのを受け、市内でも著作「クォーク」に注目が集まっている。出版元の講談社に100冊単位で発注した書店や、ノーベル賞、自然科学関連の書籍を集めえた特集コーナーを急ごしらえで設けた図書館もある。

やっぱりもう少し待てば科学本が大量に古本屋に(ぉ。

*1:この記事の後で、南部陽一郎博士が米国の受賞者であることを文科省が公式に認めたので、公式には3人。下村博士の研究も米国でなされたので実質は2人だと思う

*2:最近は新書の分野で市場が広がってきている気配もある