設備の前に教育を

益川さんと小林さん、文科相ら表敬…教育行政を手厳しく批判 2008年10月10日
素粒子実験施設、文科省が整備前倒しへ…ノーベル賞受け 2008年10月12日

 益川さんは塩谷文科相に、大学受験などで、難しい問題は深く考えず易しい問題だけを選んで解くよう指導している学校の現状を指摘。「これでは、考えない人間を作る『教育汚染』だ。親も、じつは教育熱心じゃなくて『教育結果熱心』だ」と教育のあり方を手厳しく批判。

 小林さんも「検定教科書には必要最低限のことが書いてあるだけ。もっとストーリーが必要」と、読む気を失わせる教科書の現状に苦言を呈した。

『教育結果熱心』は上手い。

 ノーベル物理学賞を日本人3人が独占した快挙を受け、文部科学省高エネルギー加速器研究機構茨城県つくば市)が計画中の大強度陽子加速器施設(J―PARC)の運用を1年程度早める方針を固めた。

 ノーベル賞の対象となった「小林・益川理論」は同機構の施設の実験で証明された。未知の粒子の探索などの研究を急ぎ素粒子物理学の地位を固めたい考えだ。

文部科学省ノーベル財団に踊らされているようにしか見えない。
物理学賞の3氏はもとよりいつノーベル賞が贈られても不思議の無い人たちばかりで、財団がたまたま今年贈ることにしただけ。仮にも「科学技術立国」を標榜する国がいち財団の動向に舞い上がって計画を変更するようでは頼りない*1

さらに言うと、実験施設(これもハコ物か?)も大事だが、受賞者の意見を尊重するなら、教育や人材育成について考え直すことを優先してはどうか*2。設備の運用を1年早めるよりも先に行政には考えるべきことがあると思う。
そもそも南部・小林・益川の3氏とも直接には実験設備を必要としない理論の研究者。彼らに続く人材をと言うのなら、設備を前倒しで動かすよりも、世界で勝負できる頭脳の育成をもっと真剣に考えてはどうか。

*1:まるで値上がりしてから株を買っているような…

*2:まさかこれも天下り目的?