午前のミーティングの時、同じグループの年配社員がソフトウェア開発の不備に憤慨していた。この人はある組み込み機器の回路を担当しているのだが、そこに組み込まれるソフトがバグだらけで一向に改善されないことに強い不満があるらしい*1
不満はそのソフトのプログラマだけでなく、ソフトウェアをちょっと触っただけでOKを出す管理体制に対してもあるらしい。組み込みソフトのプログラマとこの人とは別々のグループに所属していて、ソフトウェアはプログラマのグループで試験されてからこの人に渡される。つまり問題が改善されないのはプログラマだけでなくそのグループの問題だということだ。
この人はたまに辛口の発言をする人ではあったが、今日はさらに「物を作って世の中に出すということは世の中に迷惑をかけてはいけないということだ。この会社の連中はそれが分かってない」と、かなり手厳しいことまで言及していた。
傍で聞いている時は特にコメントはしなかったが、実は私もこれには同感だった。今の会社はあまりにも動作試験やテストを軽視し過ぎている。しかも役員にも社員のほとんどにもその自覚が無いように見える。その証拠に試験工程の見積もりが非常に甘い。試験に充てられる期間が短い上に経験の浅い社員が担当することが多い。
もちろん実際の出荷の前には一応の動作テストははしているものの、せいぜい正常系を一通り動かす程度に過ぎない。つまり問題を探すための試験ではなく、問題を避けて操作して、動いたからOKという試験になってしまっている。その結果、出荷後の手直しが発生することも多く、出張や物品の輸送費だけでもかなりの損失になっていると思われる。また、仕様を満たせないまま検収期限を越えたことでペナルティ費用が発生する場合もある。
受注を増やすよりここを改善した方がよほど効果的だと思うのだが、管理職以上は気づいている様子が無い。しかし問題があるのがこれほど明らかなのに気が付いていないというのは考えにくい。見て見ぬ振りをしているのだろうか。

午後からはソフトウェアの修正と変更をいくつか行った。表示がすぐに更新されなかったり、デフォルト値を変更したりといったものばかりで、特に深刻なものではない。単純なものを修正して出荷用のCDと差し替えた。

*1:ちなみに私はこの装置には関わっていない