『日本人だからうつになる』

自身も10年間うつとつき合いつづけているジャーナリストによる本。医師によるうつ本によくあるシナプスや脳内物質の解説などは無く、自分の体験と取材から得た知識をもとにより「実用的」なうつとのつきあい方が書かれている。素人が自分の思い込みだけで書いていると怒る人もいるかもしれないが、個人的には共感できる部分も多い好著だと思う。
ただし、本書には患者にとっては耳の痛い主張も含まれているので、読んで不快になったり余計に落ち込んだりする人もいるかもしれない。私個人の意見としては、すでに医者にかかっていて比較的状態の安定している人が読むと良いと思う。反対に今とても苦しいという人はしばらく本書を読むのは止めた方が良いだろう。また、医者に行くべきか迷っている人も、本書を読むより先に試しに医者に行くってみるのが良いと思う。