『入門! システム思考』

システム思考という使える思考ツールの紹介をした本。

目次
第1章 いろいろな方向から見れば……
第2章 二つの「考える」方法
第3章 システム思考を理解する
第4章 システムの原型 〜望ましいパターンを生み出すために〜
第5章 システム思考を使って行動する

第1章と第2章が前置きで、第3章と第4章がシステム思考の解説、第5章が応用例の紹介になっている。
これらのうち特に重要なのは第3章と第4章で、ここは読んでおいて損はない。パターンとループという単純なツールを使って物事を理解する方法が述べられている。本書の中心になるべき部分なのだが、残念ながら量的に少しもの足りない。この部分はもっとページ数をかけて丁寧に説明してもらいたかった。
その反対に前置きは少し長すぎる。第3章(p70)まで本題であるシステム思考の具体的な話がなかなか出てこないのはじれったい。第2章はほとんど要らないのではないだろうか。
また、第5章は話が発散しすぎていてどこまでがシステム思考なのか分からない。応用事例が前面に出過ぎていて、その事例とシステム思考のどちらが主題なのか分からなくなってしまっている。応用例を出すにしても、システム思考を主語にして論を展開にしてもらいたかった。

本の構成には不満が残るが、ツールとしては興味深い。ソフトウェアのデザパタ本のように、システム思考についてカタログ的に書かれた本があれば読んでみたい。

入門! システム思考 (講談社現代新書)
枝廣 淳子 内藤 耕
講談社
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