土壌は二酸化炭素を蓄えるか

森林は二酸化炭素を吸収しないか? - どことなく技術屋な日々に関連した書き込みがあった。

地球上のあらゆる土壌を有機質の肥沃な土壌に変えることで、かなりの二酸化炭素が削減されるのではないでしょうか。二酸化炭素を出さないことや森林を増やすことの他に、「肥沃な土地を増やす」ということが二酸化炭素削減になるのかどうなのか、専門家の意見を聞きたいものです。
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私もぜひ専門家の見解を知りたい。
砂漠の緑化の一般的な目的は土地の保水や耕地化だと思うが、さらに進んで安定的な生態系を取り戻せれば、有機物として炭素を蓄積する効果も期待できるのではないだろうか。
素人考えではあるが、二酸化炭素を土壌の有機物に転化することで大気中の二酸化炭素を削減できるのは明らかに思える。おそらくこれは局所的かつ定性的に見れば正しい。しかし、思わぬ副作用が起こって逆効果になる可能性もゼロではない。より大きな系で考える必要があるだろう。
また、土壌がどのくらい炭素を抱え込めるを定量的に評価する必要もある。もっと効率良く二酸化炭素を削減する方法があるならそちらを優先するのも意味があるだろう。

もし副作用の心配が少ないなら、たとえ二酸化炭素の削減効果がさほど高くなかったとしても、荒地の緑化は推進すべき重要な対策だろう。二酸化炭素を削減の効果が低くても保水や食糧生産といった改善と同時に進めることができるのは大きなメリットである。また、安定した生態系を構築すれば低いメンテナンスコストで持続的にこれらの恩恵を受けることができる。長期的視点で見れば、化学的な方法で酸化炭素を固定して深海に捨てるよりはずっと優れた方法であろう。

それにしても、有機物にして土壌に蓄積する方法があまり議論されているようには見えない。私が無知なだけかも知れないし、もしかするとなんらかの理由でとうの昔に捨てられた案なのかもしれない。もしくは政治的・経済的な理由で押さえ込まれていることも考えられる。

いずれにせよもっと専門家の意見を!