ソフトウェア開発にまつわる「真実」と「ウソ」を集めたもの。言い古されたものも多いが、聞き覚えの無いものもある。それぞれの「真実」と「ウソ」に対して、著者の見解だけでなく反対意見も取り上げている点が本書の特徴だろう。ときにはブルックスやデマルコといった大御所たちの「真実」に対しても異議を唱えている箇所もある。あえて反論を載せることで、著者の考えを盲信するのではなく自分で考えることを読者に促している。
ソフトウェア開発の方法論は未熟な分野であり、真実、迷信、虚言が入り乱れている。その中で、ツールベンダーや研究者は、自分たちに有利な方法論を流行させるために誇大広告を乱発している。それらのうちのいずれかの手法は私にとっては「銀の銃弾」たりうるかもしれないが、あなたにとっては全くの役立たたずかも知れない。手法の選択も自己責任でどうぞ。
ソフトウエア開発 55の真実と10のウソposted with amazlet on 06.08.07