『小説 上杉鷹山〈上〉』

小説 上杉鷹山〈上〉』を読了。江戸時代(田沼意次の治世)、藩財政破綻の危機に立たされた17歳の米沢藩主、上杉治憲(鷹山)の藩政改革を描いた歴史小説。体面にばかり拘る老臣と対立しつつ、論理と思いやりをもって改革を進めてゆく若き藩主の姿を描いている。
作中で治憲は、当時としては非常識ではあるが極めて論理的な政治を行っている。さらに、家臣の心情を見事に察し、改革遂行のために自身の感情をコントロールしている。無論これは小説の話であって事実かどうかは分からないが、本当だったとすれば恐るべき17歳である。
人からこの本を教えてもらうまで上杉鷹山なる人物を知らなかったのだが、かなりの日本人が鷹山を知らないのではなかろうか。その一方で、ケネディ大統領や(その系列にある)クリントン大統領は「もっとも尊敬できる日本人」として鷹山の名を挙げていたらしい。
海外で評価されている人物が国内で評価されないのは、最近に限ったことではないらしい。いったいなぜそういうことになるのだろうか?

小説 上杉鷹山〈上〉
小説 上杉鷹山〈上〉
posted with amazlet on 06.05.23
童門 冬二
学陽書房 (1995/11)
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