『劣化するシニア社員』

 今の会社でも雇用延長で居残った社員や、経験者ということで雇った高齢社員の問題行動が中堅社員の不満を引き起こしている。
 一人はろくに仕事をせずに趣味である天体写真用のサイトめぐりや機材のネット通販ばかりしており、もう一人はさして知識もないクラウドサービスに固執してGoogleSkypeに問い合わせ電話ばかりしていたり、ひとつしかないトイレの個室にこもって居眠りをしたりしているのだとか。
 自分は直接迷惑を受けなければ誰がサボっていようと別に気にならないのだけど、同年輩の同僚の何人かはそれが許せないと息巻いていたりする。特にシニア社員の一人と席が隣の同僚は、隣人の行動記録をつけて仲間にメールで送ったりしている。(勤務時間中にそんなくだらないことをしていては50歩100歩に思えるが)

 本書にはさまざまな形で会社に損害を与えるシニア社員の事例が載っている。対して自分の会社の問題シニア社員は今のところ働かずに給料を取っているだけで、積極的な問題はさほど起こしていない。
 個人的には、シニア社員が働かない現状は他社に比べればまだマシで、下手にやる気をだされたら余計に迷惑になると思っている。何も仕事をしないオッサンが新卒より高い給料を取っているのが腹立たしいのは分かるが、それがこの国の方針なので怒るだけ損である。
 厚労省が年金の原資を浪費したせいで年金の支給が延期され、延期された期間を企業で面倒を見ろというのがお上の意思である。そのために企業に問題が生じようがやむをえないということなのだろう。

 ちなみに今の会社の幹部というのはおとなしい事なかれ主義者ばかりなので、上長に密告してもおそらく無意味だろう。