回路図とデータシートとにらめっこ。当初の目的はUSB周りの調査だったけど、回路図を調べていて、いくつか珍妙な箇所を見つけた。
 まず一つ目は、+3.3V系のデジタル信号線なのに+5Vでプルアップされていること。これでは+5Vの電源から+3.3Vの電源に向かって常時無駄な電流が流れ続けることになる。プルアップ抵抗も10kΩと少し小さ目なのでなおさら電流が流れてしまう。そもそもここで使っているICは内部にプルアップ回路を持っているので外付けする必要などない。データシートをちゃんと読めば書いてあるのだけど、英語のデータシートを設計者が真面目に読まなかったのだろう。
 もう一つはさらに変てこりんで、出力ポートが抵抗を介してそのまま電源に繋がっている。こちらは出力ポートと電源の電圧が同じなので大して電流は流れないだろうけど、全く意味の無い回路になっている。なんでこんなことになっているのか想像もつかない。
 幸い2ヶ所とも抵抗を取るだけで修正できるので、楽ちんではある。念のためハンダを溶かして抵抗器を抜こうとしたが、鉛フリーハンダが使われているのでなかなか溶けてくれない。あまりにやりにくいので、我慢できなくなってニッパで抵抗の足を切って取り外した。
 抵抗を外した後で念のため動作を確認してみたが、何の問題もなく動作した。それにしてもこんな回路が誰のチェックもかからずに商品として出荷されているというのは…。一体回路の開発者は何をやっているのだろうか?今回はたまたま別の仕事が回ってきたついでにチェックしたことで発見することができたが、他にも変な回路が変なまま出回っていないか心配になってきた。