最大の問題は、こんなザル政策でも文句の一つも出ないほどに、そもそも職業訓練のニーズが日本社会に少ないという現実だ。
理由は、日本企業は職務ベースではなく、「新卒・正社員・総合職」といった出自に基づいた身分制なので、そもそも職務というものへのニーズが薄いためだ。
いやはやごもっとも。
“博士”という最高の訓練*1を受けた人材でさえ敬遠される国。
悲しいけど、それが日本の実情である。
なまじ専門知識があると、意見の是非の前に「新入りのくせに生意気だ」「現実社会は理屈とは違う」と感情論で叩かれる国。
ついでに言えば、こういった失業者のスキルアップというものは、現役正社員との自由競争状態において、はじめて一定の効果を持つ。
江戸時代の農民は勉強しても武士にはなれなかったし、そもそも勉強しようなどとは思わなかったろう。身分制度が崩れる明治維新までは。
*1:博士が最高の訓練かどうかには異論ありまくりだけど