ほぼ一日中、実験…というか不具合の調査のために実験室に居ずっぱり。昨日出張に出ていた二人が現地で致命的とも言える不具合に出くわして、ほうほうの体で帰ってきたらしい。経緯を聞いて、現地から持ち帰ってもらった機体で現象を再現させた。いつもは再現させるのにてこずることが多いが、今回は幸い(?)すぐに再現させることができた。
 ところが厄介なことに不具合の再現条件が分からない。冷却ファンのフィルタを外して風通しを良くしたり、アース線をしっかり繋いだりすると直る傾向がある。けどしばらくすると再発する。と思えば勝手に消えたりする。温度やアースが絡んでいる以上、回路に弱いところがあるような気はするけど…。
 夕方、途中経過の確認のためのミーティング。今問題になっている装置のように「複雑な装置を作る技術力はこの会社には無いので、これ以上傷が大きくならないうちに作るのを止めるという選択もありだと思います。」と極めて後ろ向きな発言をした。プロジェクトX的なガンバリズムに冒されている人には怒られるかもしれないが、「がんばれば何とかなる」というのも時と場合による。しかもその仕事に直接関わらない外野にそういう思考停止発言をされても、当事者としては余計ウンザリするだけ。
 ミーティングの後、不具合の調査を再開。日中一緒にやっていた社員は期限が近い他の仕事で手一杯ということで、ここからは自分が主体で進める。「わっかんねーよー、無理だよー」と一人で泣き言を喚きながら作業をしていたのだけど、ふと思いついたことがあってあるパーツを交換してみた。そうしたらあら不思議、不具合が消えてしまった。
 ただしこれだけではこのパーツを交換したことで解決できるとは決められない。なんせ放置しているだけで勝手に消えてしまうこともあるのだから、パーツを換えた時に偶然に不具合が消えた可能性もある。もう簡単にはだまされんぞ。猜疑心満載の目でしばらく様子を伺ってみたが、少なくとも監視していた間には問題は無かった。まだまだ油断ならんけど、少なくとも対症療法くらいにはなりそうだ。
 退社はすっかり遅くなった。今日もまた中古車を見に行けず。