朝礼の後で部のミーティング。ちょっと長引かせてしまった。
朝一番で、先週顧客から来たというクレームメールを担当者から見せられていたので、ミーティング後に詳しい内容を聴いた。クレームは二つあったが、一つはなんらかバグだが、もう一つは操作ミスの可能性が高い。
担当者は「とりあえず」別の(在庫品の)機体を持って行って交換したいと言う。つくづくこの手の「とりあえず」にはウンザリする。機械を交換して問題が解決するという理由があるならともかく、実際は、何の目算も無いので安直に「とりあえず」交換しようとしているだけだ。原因の特定や調査などは端からやる気が無い。それでもエンジニアか?と問い詰めたくなった。
本人は「先方ができるだけ早く正常に動くようにして欲しいと言っているから」との理屈をこねているが、交換したところで正常に動く可能性はほとんど無い。機体の交換が意味を持つのは、ハードウェアになんらかの不具合があると判断・推測できる場合だけだ。今回は操作ミスもしくはソフトウェアのバグに原因がある可能性が極めて高く、ハードウェアに問題がある兆候は一切見られない。イラつきを抑えてそう伝えたが、あきれたことにそれでも交換に拘っている。改善の見込みが無い作業をしてどうなると言うのか?
結局のところ、彼は「何がしか努力はしてますよー」というパフォーマンスをしたいだけなのだろう。こんなパフォーマンスなど顧客にとっても会社にとっても時間の無駄になるだけで何のメリットも無い。バタバタせわしなく動いていれば「仕事したー」的な満足感は得られるのかも知れないが、個人的にはそんな下らないことはごめんだ。
ともかくこれ以上議論をしても時間の無駄なので、一応は交換用の機体を持っていくことにして、午後から現地に出張する段取りをつけた。
担当者と二人で早弁して昼前に車で問題の現地に出張。車で約1時間の近場なのは幸いだった。現地で機体の調査を開始したが、特に異常は無い。問題の操作をしてみると、確かに連絡のあった動作をするが、これは測定パラメータが不適切な値になっているだけで、その値を直せばまったく正常に動作した。
やはり予想通り操作ミスというか使い方が間違っていただけのようだ。(もう一つのバグは再現しなかった)これでは機械を交換しても直るはずが無いし、こんなことでいちいち交換するほうが顧客の信用を損ねるというものだ。
顧客への口頭説明と、その内容をメモにまとめたものを渡し、予定通りの時間に退出した。会社へも予定通りに終業時刻前に帰着。帰る頃には担当者も原因をきっちり調べることの重要性を少しは理解してくれたようだ。