『床下仙人』

モーレツ社員やリストラおじさんを主人公としたちょっと奇妙な単編集。予想以上に面白くて一気に読了。本書は最近本屋でよく見かけるが、単行本の初出は平成十一年ということで、さすがに少し古さは感じる。
読んでいる途中で誰かの作品と雰囲気が似ているように感じていたのだが、半分以上読み進めてようやく気がついた。藤子F不二雄の大人マンガの雰囲気に似ている。藤子作品と比べるとSF風味は無いが、日常の中の奇妙なストーリーという意味では近いものを感じる。(阿刀田高に比べると色気が足りないし、筒井康隆に比べると毒が少な過ぎる。)

床下仙人 (祥伝社文庫)
原 宏一
祥伝社
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