『太陽の塔』

森見登美彦の作品は初めて読む。本当は『夜は短し歩けよ乙女』のほうが気になっているのだが、こちらはまだかさばるハードカバー版しかないので、文庫で買える本書を先に読んでみた。
京都大学農学部を休学中の5回生の失恋の後日談。もてない理系男が読めば、既視感と消したい過去の記憶が同時にわきあがるにちがいない。それ以外の人達に本書がどう読まれるのかは知らない。*1

ちなみに私が感じたシンパシーは同じ近畿に住んでいることが理由であって、決して主人公とその仲間に感情移入したとかそういうことではないことはきちんと釈明しておかねばなるまい。
…。

小説の感想をあまり詳しく書くのも不粋なので控えるが、とりあえず次に森見登美彦の作品が文庫になったらきっと買う。

太陽の塔 (新潮文庫)
太陽の塔 (新潮文庫)
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森見 登美彦
新潮社
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*1:本作に何度も出てくる「法界悋気」というのは「自分と関係ない他人のことに嫉妬すること。他人の恋をねたむ意もある。」という意味の四字熟語だそうな。