なんでそこで新入社員批判になるかな

人材紹介会社のインテリジェンスによれば、今年4−6月末の新社会人による転職希望登録が昨年の4倍あり、その後も増加傾向にあるという。「売り手市場で、企業側が採用時に会社のいい面ばかりを伝え、入社後にギャップを感じている人も多い」と同社は見る。
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_09/t2007092828_all.html

要するに「会社説明にうそ・誇張があった」ということか。

また、リクルートエージェントでも、今年4−8月末の登録が昨年同月比で1・3倍の約600人に上っているが、同社も「自分のキャリアについてまじめに考えている人が多い。社内に自分の思いを受け止めてくれるいい先輩がいない状況もあるようです」と背景を分析する。
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_09/t2007092828_all.html

つまり「キャリアについて真面目に考えている先輩がいない。だから相談できない。」ってことだろうか。
インテリジェンスとリクルートエージェントは、どちらかと言えば、企業や先輩社員の側の問題だと言っているように見える。ところが

なかには、研修期間中から会社を辞めたいと考える、そんな新社会人を「こまぎれ時間活用術」(日本実業出版社)などの著者で、東京女学館大学国際教養学部の西山昭彦教授はこう見る。

 「彼らは“生弱”(())。幼い頃から親や先生から叩かれた経験もなく、傷ついた体験もない。上司に叱られるとビックリして深刻に悩んでしまう。それが大きな違いです」
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_09/t2007092828_all.html

ときた。どういう理由でこの教授のコメントが載せられているのか分からないが、いきなり「若者が弱いのが悪い」というありきたりな論調に。そもそもどうして「叩かれたことも傷ついたこともない」と決め付けられるのだろうか。竹刀で叩くよりも過干渉や放置が心を深く傷つけることもある。

さらに

 職場で叩かれ続けて生き延びてきた30、40代が新社会人を鍛え直すには時間がかかる。しかもやり過ぎれば相手をうつ状態などへ導きかねない。まず“生弱”な相手と認識することが、上手なつき合い方の第一歩だ。
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_09/t2007092828_all.html

ものすごい傲慢な印象を受ける。
そもそも「職場で叩かれ続けて生き延びてきた30、40代」というのも違和感ありすぎ。むしろ「職場で流されてきた」と言うほうは現実に近いのでは?
インテリジェンスとリクルートエージェントの分析を信用するなら、新入社員は会社や先輩社員を「嘘つきだ」「自分の意見がない」「頼りない」「惰性で働いている」「価値観が古い」と思っているんのではなかろうか。つまり社会人として尊敬も信頼も得られてないということだ。

「駄目だあの人は」と思っている先輩が「鍛え直してやる」とか言ってきたら逃げ出したくなるのは当然だと思う。若者をどうこう言う前に、まず自分を鍛え直したほうが良いのでは。

生弱って何?

記事中に「生弱」という単語が繰り返し出てくる。知らない単語だったので調べてみたが、どの国語辞典にも載ってない。
の検索結果 - goo国語辞書
エキサイト 翻訳
三省堂 Web Dictionary
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E7%94%9F%E5%BC%B1&stype=2&dtype=2

脆弱性」を「きじゃくせい」と読んでいるんじゃあるまいな.
傲慢な人達 - カレーなる辛口Javaな転職日記

もしくは「せいじゃくせい」と読んでいるとか。