怒る相手が違うでしょ

年金騒動で、最初に報道された5000万件が名寄せが済んでない記録だということはだいぶ知られるようになった。ところが今度は、本物の記録もれや記録ミスがぞろぞろ出てきた。
領収書があるのに社会保険庁に記録が無いといった事態は言い逃れできないミスだろう*1。はからずも、当初報道された通り、社保庁の杜撰さが明るみに出たことになる。

先日、社保庁の窓口で職員に掴みかかった男性がいたらしい。いずれはこういうことが起こるとは思ってはいた。気持ちは理解できなくもないし、職員の態度が不愉快だったのかも知れないが、「俺の年金を失くしやがって!」というのなら怒る相手がちがう。
末端の公務員には、決められた事を決められた通りに処理することが求められるだけで、それ以上の責任も権限もない。木っ端役人を怒鳴れば少しは気はまぎれるかもしれないが事態は変わらない。
窓口の職員に噛み付いて鬱憤晴らしをするのは無意味だ。窓口の職員は年金の運営責任者ではなくあなたの隣人なのだ。
国の制度の運営責任を負っているのが官僚と政治家(これまでの与党つまりほとんど自民党)であることを分かっている人でも、彼らを直接シバく方法が分からないために、つい目の前の公務員に当たってしまうかもしれない。
大人としてまず学ぶべきは「官僚と政治家を直接シバく方法」なのだろう。

政治家が選挙を怖がっていることはみんなが知っている。選挙前の彼らのコメツキバッタぶりがこれを如実に表している。一方、官僚には一見怖いものなど無さそうに見えるが、形式上は官僚の人事権は政治家が握っている*2。非常残念ながら、官僚をシバくには政治家に代わりにやってもらうしかなさそうだ。
となると結局のところ、国民にできる抗議の方法は選挙しかない。選挙で脅して政治家を上手く使う方法を学ばなければならない。
地元への利益誘導に目がくらんだまま投票するのはもうやめにしよう。

*1:内部事情は聞いてないので、なにがしかの理由はあるのかも知れないが

*2:恥かしながらこの辺りの仕組みは詳しく知りません。知っておかないと。