寺田寅彦の学位観

寺田寅彦 学位について

寺田寅彦先生は、学位の審査など所詮はあいまいにならざるを得ないのだから、神経質にならずにどんどん授与すれば良いと考えていたようだ。現代の大学教官がみなこのような考えではないだろうが、寺田寅彦ほどの学者がこのように考えていたということは、これから学位をとろうと思う我々にとっていくらかの気休めになる。

実際のところ学位研究の難易度は、研究室の状況や指導教官の心理状態によって天と地ほどの違いが出る。同じ研究室であっても予算を獲得できない期間に在学期間が当たると非常に苦労することもある。また、同じ実験をしていてもメーカーによって装置が動かなかったり、老朽化のために安定性が落ちていたりしても研究の難易度は上がってしまう。