暑い…が、昨日よりは気分はマシだ。やはり昨日の憂鬱は体調不良の影響が大きかったらしい。それでも決して前向きに仕事に取り組めないのは何故だろう?
はてな日記をたどっていくと、近頃のようにヤサグレ始めたのは今年の2月末頃かららしい。その後は不安定な気分のままなんとか仕事を進めてきたが、先月の役員の発言*1で一気に悪化した。
かの役員は薄利多売路線で行きたいように見える。だがそのためには、材料原価と手間を減らさなければならないということを誰か教えてあげて欲しい。

薄利多売が成立するには条件が二つある。

  • 市場が十分に大きいこと
  • 供給能力があること

現状ではどちらも満たしているとは言いがたい。では、そういう状況で値段を下げるとどうなるか?「台数は出るが利益が出ない」になるのだ。
台数が出るということは製造とサポートの手間が増えて従業員の負担は増える。しかし利益が出ないので給料は上がらず不満は増えるばかり。

ではどうすれば良いかと言えば、原価を下げるか価格を上げるしか無い。しかしこの会社の場合、原価を下げることは解決にはならない。なぜなら原価を下げればその分だけ価格を下げるからだ。で、また利益が出ないから「もっと努力せえよおまいら」とやるわけだ。
価格を上げる方法はどうだろう。確かに製品の品質は他社に負けている部分もあるが、身内びいきを差し引いても他社の3分の1以下ということは無いはずだ。十分に値上げの余地はある。
逆になぜ安売りをするのかと言うと、価格が安ければ自分達が価格交渉をしなくてするからだ。製品の価格の大部分は経営陣が決めるが、彼らには高く買ってもらおうというインセンティブは無く、価格交渉などという面倒事をやる気も能力も無い。
利益が出なくても、社員に(臆面もなく)そう言って給料をケチれば済む*2
まずいのは、外部的にもこれまで安売りしつづけてきたおかげで、すっかり安物メーカーという「ブランドイメージ」が定着してしまい、値上げをしづらい状況になっていることだ。先の役員の言い分からも現状を変えるつもりなど無いことがわかるので、当分はこの路線で行くのだろう。おそらく倒産するまで。結局は経営陣が無能になりすぎたのだ。

実は今、新しい販促カタログの作成を提案するかどうか迷っている。打ち合わせや納品でお客さんのところに行く社員から説明に使いやすいカタログが欲しいというリクエストが来ているのだ*3
以前の私なら積極的に引き受けただだろうが、今は気が進まない。
もしそのカタログによって販売台数が増えても、安売り傾向が加速するとしか思えない。販売数が増えれば製造とサポートの負担は確実に増える。そのせいで「利益が出ない」「だから給料(ボーナス)は上げられない」とか言われるくらいなら、売れずに給料が減る方がまだ納得できるというものだ。


*1:「売上げは増えたが利益が出なかった。もっと顧客指向でないといけない」

*2:たとえ利益が出ていても社員には「利益が出てない」と言って給料を上げない理由にしているらしい

*3:本当はカタログの責任者は例の役員なのだが、彼にその能力が無いことは皆知っている