実家で田植え。田んぼの用水の都合で今日植えたのは1面だけ。他の田は、田舎の不合理な取り決めのせいで、来週まで水を引けない。おかげで次の土曜日も帰省することになりそうだ。

昔は、田んぼは段々になっていて、田植えの時は水源に近い上段から順番に取水する必要があった。また、ため池の水量が十分でない場合には、皆で相談して水を引く順番を調整する必要もあった。百姓にとって水は大切なものであり、水に関する取り決めを破ることはトラブルの元だった。いまでも「我田引水」という言葉が残っている。
しかし、技術や社会情勢に合わせて農業用水の事情も変化してきている。実家の周辺の地域でも、数年前から田んぼ区画整理が町主導で始められていて、それと同時に各々の田に給水管が設置されるようになった。これによって各家で比較的自由なタイミングで取水することができるようになった。農作業を週末や祝祭日に行う兼業農家にとってはありがたいことだ。
実家の田も区画整理が行われ、既に工事が終わっている*1。給水管の弁を開くだけで、簡単に水を引ける。
ところが、それにもかかわらず、開栓日より前に水を引いてはいけないという取り決めは未だに残っている。別に、先行して水を引いても実用上の問題は何も起こらないにもかかわらずだ。
理由は、工事が済んでいない農家が不公平だと文句を言うからだという。あまりにもケチくさく、幼稚な理由である。脳が硬直しているとしか思えない。
取り決めを無視して先に水を入れてしまった人もいるらしいが、やはり相当不評を買っているようだ。既に決まったルールを破るのはまずいが、そもそもどうしてそういう不合理な決定がまかり通ることに問題がある。
醜悪な横並び主義を感じてとても嫌な気分になった。将来実家に戻ることになったとしても、こういうコミュニティにはとても馴染める気がしない。

そういうことで今日の分の田植えは午前中で終わったので、午後からは皆で畑の手入れ。使っていない畑地に雑草が茂ってきていたのでトラクターで土をおこしたり、草とりをしたり、肥料と水をやったり。
いつも手伝いに来てくれている叔父が、今年から余っている畑地で野菜の栽培を始めたので、そちらの手入れも手伝った。今日は西瓜の敷藁と、黒大豆の種蒔き。

その後さらに竹薮の手入れ。竹薮は既に売却してしまっているので、管理の義務はないのだが、たまに手入れに行っている。今日は今年生えた若竹の伐採と、倒れて道を塞いでいる枯れた竹の片付け。それほど作業の必要もなく、薮蚊もひどかったので短時間で撤収。

*1:工事後、土が固まるまでさらに2年待った