ハッカーになるための必読書103選

1500円とはえらく安いと思っていたが、実際の装丁もどことなく安っぽい。内容も正直期待はずれであった。

冒頭に「103選であって103冊ではない」と断っている通り、重複して紹介されている本もいくつかあるのだが、どうも冊数が足りなかった言い訳のように思える。取り上げられているのは、ハードウェア、アセンブリ言語クラッキング、それ以外といった分野である。私の興味の対象とはすこしずれている。しかも洋書は除外されているので、ほとんどの本は既にもっているか興味の無い分野のものばかりで、結局読んでみたいと思える本は数冊しかなかった。洋書を外したのは初心者のためだそうだが、私としてはむしろ洋書の紹介を期待していた。日本語の本は書店で実際に眺めることができるが、洋書は買う前に手に取ってみることが難しい。それだけに上級者のお薦めを知りたかった。まあ安い本なのでさほどショックでは無いが。

同様の本に、コンピュータの名著・古典100冊がある。こちらも残念ながら洋書は含まれてい。また、選者の年齢層が高いこともあってかこちらのリストには古めの本が多く、絶版本も何冊もある。しかし、選択基準はしっかりしていて、バイブルと呼ばれる原著や正統派の名著が多くとりあげられている。たいていのプログラマにはこの本のリストの方が良いのではないだろうか?
この本と同じような選択基準で、最近の本や洋書も含めたものがあればありがたいのだが。

コンピュータの名著・古典100冊

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ソフトウェア開発201の鉄則

上の本と一緒に注文してあったソフトウェア開発201の鉄則が届いていた。こちらも1500円程度と安い本である。1つのルールが1ページで解説されているので内容は簡潔にならざるを得ない。「グローバル変数を使わない」など、ありきたりなルールや少々古いルールもあるが、普遍的に重要なルールがたくさん取り上げられている。雰囲気的にはピープルウェア、コードコンプリート、人月の神話などのエッセンスを抜き出したような本である。これらの本を読んだことはあるが、読み返す時間がない場合に、この本でエッセンスを思い出すというのが便利な使いかたかもしれない。さすがにこの本だけでは不十分な気がする。