今日は出勤。
 午後からは某レーザーメーカーから技術営業の人が来社されたので上司と同僚と一緒に対応。特に商談があるというわけではなく、いくつか進行中の案件の状況報告と業界動向の話など。その後で、社内で埃をかぶっていたレーザーが使えるかどうかを見てもらった。
 このレーザー、もう10年以上前にとあるプロジェクトで購入したものだが、目的にスペックが合わないと言う周囲の声(主に私の声)を無視して当時の社長が無理やり導入し、そのままお荷物になっていた。
 チラー(レーザーに温度を一定に保った冷却水を循環させる装置)に冷却水を入れ、数年ぶりにレーザーシステムに電源を入れてみた。チラー、レーザー本体ともに正常に起動はしたが、チラーの操作パネルのボタンが一つ利かなくなっていた。そのままではチラーに適切な水温を設定できず、レーザーが温度エラーで動かない。
 どうせスイッチ部品がへたっているのだろうと思い、チラーを開けて操作パネル基板を引っ張り出した。案の定、問題のタクトスイッチを押しても導通が生じない。半田にも青錆びが浮いている。スイッチを交換したいところだが、手持ちの部品は高さが合わない。仕方ないので応急処置として壊れたスイッチと並列に取り付けた。
 基板を元通りにチラーに取り付けて試してみると、もくろみ通りボタンが操作できるようになった。べつに大した技術でもないのだけど、上司と技術営業の人はえらく感心していた。ともかくこれでチラーの温度を正しく設定してレーザーのエラーも消すことができた。
 これでようやくレーザーが起動したが、やはり出力がまるで出ない。技術営業の人は電話で自社の技術者と連絡を取り合ってレーザー制御アプリを操作していたが、どうにも改善しない。どうやら 内蔵されている励起用半導体レーザーユニットが弱っているようだ。
 レーザー本体の温度が安定すれば光学系も元に戻るかも知れないので、そのまま一晩放置して様子を見ることになった。