有給休暇で盆休み。
 朝から実家で先日中断した動物よけ電気柵の設置作業の続き。10時に引き上げて実家に戻り、汗だくのままで、住職の奥さんとその息子さんの読経に(最後の方だけ)同席。
 実家の菩提寺の住職はもともとは一般人で、お寺に婿入りしてから僧侶になった。つまりその奥さんはお寺の娘で、今の住職が得度するまでは僧侶の仕事をしていた。息子さんは双子の兄弟で、跡取りは弟の方らしいが、今日は兄が来ていた。自分は息子さんとはこれが初対面。
 読経の後で父親が、数日前に出荷したまくわうりの代金を受け取りに市場に行くというのでついて行って見た(というか自分の車に父親を乗せて行った)。
 市場は実家の西側を通る国道の向かい側で、車で5分もかからないほどの距離にあった。なんとなく隣町(今は合併して同じ市内だが)にあるものと思っていたのでちょっと驚いた。
 実家は兼業農家と言っても基本は自分たちで食べるものを作っているだけで、これまで市場に出荷することはほとんど無かったが、この市場には祖父の頃からたまに作物を買ってもらったりしていたらしい。この市場は見た目がいまいちな作物でも買ってくれるので、採れすぎた野菜などを持ち込む人も多いらしい。見た目がいまいちな野菜でも「国産」に間違いは無いし、加工食品や外食店などでニーズがあるのだと思う(推測)。そのぶん買取り値は安めらしいが、多少いびつな作物でもあまり引け目を感じずに持ち込める。
 市場には祖父と同い年で90歳を超えるご隠居さんがいるらしいが、今日は不在だった。
 出荷した作物がいくらの値がついたかは、代金を受け取るまで分からない。先日両親が出荷したまくわうりは800円ほどになったようだ。母親は200円くらいかも、と言っていたので大儲けである。
 市場の後、父親と一緒にホームセンターに向かい、電気柵の代わりになりそうな金属柵を見てみた。父親は以前から、金属柵にすれば電気柵の手入れをしなくて済む、と言っているが、調べてみた感じでは金属柵にもいろいろデメリットはあるようだ。山奥のように設置したまま放置できる場所なら金属柵で良いかもしれないが、田の脇のように草刈りなどが必要な場所には向かない。父親は、簡単に外せるようにしておけば草刈りもできると言うが、そうすると強度に不安が出てくる。主な防除対象であるイノシシは70kgくらいは持ち上げる力はあるし、柵の下を掘り返すこともできそうだ。
 まあなんにせよ、この猛暑の中で今から金属柵をどうこうすることも無い。そもそもこれまでのところ電気柵で被害は防げているのだから、有効かどうか分からない(もしかしたら効果が下がるかも知れない)金属柵にあわてて金と労力をかける必要もなかろうとどうにか父親を説得した。
 帰宅して昼食の後、また父親が市場で受け取った代金を銀行口座に入金したいと言い出した。どうもいつも農作物の代金を受け取るたびに銀行に行って入金しているらしい。1000円かそこらの小銭のためにわざわざ出かけなくても、金額を記録しておけば十分だとは思うが、まあ父親の気の済むようにすればいいだろう。ということで最寄の支店まで父親を車でつれて行った。
 銀行から帰った後は、エアコンをかけた部屋で両親と高校野球を見たりして安穏と過ごした。
 今夜は盆の初日ということで、夜には例年通り、西国三十三箇所ご詠歌を仏壇に上げ、夜中に自分のアパートに戻った。